箱根・宮城野の桜と温泉 ── 早川沿いの桜並木から十七湯の名湯まで
箱根で桜を見るなら宮城野へ
箱根といえば温泉と紅葉のイメージが強いが、実は桜の名所でもある。特に宮城野エリアは、早川沿いに約600mにわたってソメイヨシノ約120本とシダレザクラ約100本が競うように咲き並ぶ、箱根随一の桜スポットだ。
宮城野の桜が他の名所と一線を画すのは、2種類の桜が同時に楽しめる点にある。ソメイヨシノの淡いピンクとシダレザクラの濃いピンクが交互に並び、川面への映り込みとともに独特の美しさを見せる。
アクセス
東京都心から箱根・宮城野までは約1時間15分〜1時間30分。
車の場合
東名高速道路の厚木ICから小田原厚木道路を経由し、箱根新道で箱根に入る。宮城野エリアには無料駐車場がある(桜まつり期間中は臨時駐車場も開放)。
電車の場合
新宿から小田急ロマンスカーで箱根湯本まで約85分。箱根湯本から箱根登山バスで約20分、「宮城野」バス停下車。
桜の見頃と「桜のバトンリレー」
箱根には標高差がある。湯本(標高約100m)から芦ノ湖(標高約730m)まで、約1ヶ月かけて桜が咲き上がっていく。これが箱根ならではの「桜のバトンリレー」だ。
- 箱根湯本: 3月下旬〜4月上旬
- 宮城野: 4月上旬〜中旬
- 強羅: 4月中旬
- 芦ノ湖: 4月中旬〜下旬
東京の桜が散った後でも、箱根に行けばまだ満開の桜に会える。しかも標高が上がるにつれて空気が澄み、桜の色がより鮮やかに見える。
宮城野さくら祭り
例年4月上旬に開催。まつり期間中は桜並木のライトアップが実施され、川面に映る夜桜が幻想的な雰囲気を醸し出す。
早川沿いの桜並木の歩き方
宮城野の桜並木は、早川の両岸に沿って約600mにわたって続いている。
おすすめの散策ルート
- 宮城野橋からスタート – 橋の上から上流・下流両方の桜並木を一望
- 川の北岸を上流へ – ソメイヨシノが多い側。日当たりが良く写真映えする
- 上流の小橋で南岸に渡る – シダレザクラが多い側。枝が川面に垂れ下がる風情ある景色
- 南岸を下流に戻る – 対岸の桜並木を眺めながら戻る
所要時間は片道約15分、往復で40分〜1時間(撮影時間含む)。
撮影ベストスポット
- 宮城野橋の上: 桜並木のトンネルを俯瞰で撮影
- 川岸の階段付近: 水面と桜を同じフレームに
- シダレザクラの下: 花のカーテン越しに早川を撮影
箱根十七湯 ── 桜の後は温泉へ
箱根が「温泉のデパート」と呼ばれるのは、エリアごとに泉質が異なる17の温泉地があるからだ。宮城野からアクセスしやすい温泉をいくつか紹介する。
宮城野温泉(最寄り)
桜並木のすぐそばにある温泉。散策後にそのまま入浴できる好立地。
- 泉質: ナトリウム-塩化物泉
- 特徴: 保温効果が高く、体が芯まで温まる
強羅温泉(車で5分)
大涌谷からの引き湯で、白濁した硫黄泉が楽しめる。箱根を代表する泉質のひとつ。
- 泉質: 硫酸塩泉、硫黄泉など(施設により異なる)
- おすすめ日帰り施設: 箱根強羅公園内の足湯は無料で利用可能
箱根湯本温泉(車で15分)
箱根最古の温泉地。日帰り温泉施設が最も充実しているエリア。
- おすすめ: 「箱根湯寮」は大小の露天風呂と貸切個室風呂を備えた大型施設
グルメ
豆腐料理
箱根の水は軟水で、豆腐作りに適している。強羅の「田むら 銀かつ亭」の豆腐かつ煮は、箱根を代表するグルメのひとつ。分厚い豆腐をカツにして出汁で煮込んだ一品。行列ができるので早めの到着を。
ベーカリー
箱根は意外にもパンの名店が多い。宮ノ下の「渡邊ベーカリー」は大正時代創業の老舗。梅干しあんぱんやシチューパンが人気。
カフェ
強羅の「箱根写真美術館」併設カフェでは、富士山の写真に囲まれながら自家焙煎コーヒーを楽しめる。桜散策の休憩に最適。
モデルコース(日帰り)
| 時間 | スポット | 内容 |
|---|---|---|
| 8:00 | 東京出発 | 東名→小田原厚木道路 |
| 9:30 | 箱根湯本 | 商店街を散策、食べ歩き |
| 10:30 | 宮城野 | 早川沿いの桜並木を散策 |
| 12:00 | 強羅 | 田むら銀かつ亭で昼食 |
| 13:30 | 大涌谷 | 黒たまごを食べつつ噴煙地を見学 |
| 15:00 | 日帰り温泉 | 宮城野温泉または箱根湯寮 |
| 17:00 | 帰路 | 渋滞前に出発 |
宿泊するなら
日帰りでも十分楽しめるが、夜桜ライトアップを見るなら宿泊がおすすめ。宮城野エリアには中規模の旅館が点在しており、桜並木まで徒歩圏内の宿が多い。
強羅エリアなら、部屋付き露天風呂のある宿が充実。桜の季節は予約が埋まりやすいため、2月中には押さえておきたい。
知っておきたい注意点
- 渋滞: 桜の時期は箱根全体が混雑。特に国道1号線は土日に激しい渋滞。箱根新道(無料)経由が比較的スムーズ
- 気温: 宮城野は標高約450m。東京より3〜4度低い。薄手の上着は必携
- ロープウェイ: 大涌谷方面に行く場合、箱根ロープウェイは風が強いと運休する。事前に運行状況を確認
- 箱根フリーパス: 電車利用なら小田急の箱根フリーパス(大人6,100円)が便利。登山鉄道・ケーブルカー・ロープウェイ・バス・海賊船が乗り放題
箱根の桜は、温泉・グルメ・絶景がすべてコンパクトにまとまった理想的な春旅先だ。東京から1時間半で、日常から完全に切り離された世界が広がっている。