広島・宮島を一日で巡る ── 厳島神社・もみじ饅頭・平和記念公園
この記事でわかること
なぜ広島・宮島を一日で巡るのか
広島には2つの世界遺産がある。海上に浮かぶ厳島神社と、人類の過ちを伝える原爆ドーム。この2つを一日で巡ることで、日本の美と平和の尊さを同時に体感できる。
広島駅から宮島口まで電車で約30分、そこからフェリーで10分。広島市内の平和記念公園と合わせても、一日で十分回れるコンパクトさが魅力だ。
厳島神社
基本情報
厳島神社
593年創建、1168年に平清盛が現在の社殿を造営。海上に建つ朱塗りの社殿と大鳥居は日本を代表する景観。潮の満ち引きで表情が変わり、満潮時は海に浮かぶ姿、干潮時は鳥居のそばまで歩いて行ける。6:30〜18:00(季節で変動)。
潮の満ち引きで変わる景色
| 潮位 | 景色 | おすすめ |
|---|---|---|
| 満潮 | 社殿が海に浮かぶ。大鳥居も海中に立つ | 写真撮影のベスト。幻想的な景色 |
| 中間 | 社殿の下に水面と砂地が混在 | 社殿の構造がよくわかる |
| 干潮 | 大鳥居まで歩いて行ける。砂浜が出現 | 鳥居を間近で見上げる体験 |
潮位を事前にチェック
宮島観光協会のサイトで当日の潮位表を確認しよう。満潮と干潮の両方を見たい場合は、島に4〜5時間滞在するのがベスト。潮位差は1日に2回あり、約6時間ごとに満干が入れ替わる。
大鳥居
大鳥居
高さ約16.6m、重さ約60tの大鳥居。2022年12月に大規模修復を終え、鮮やかな朱色が蘇った。干潮時は鳥居の根元まで歩いて行ける。6本の柱で自らの重みだけで立っている構造が特徴。
大鳥居の構造の秘密
大鳥居は海底に埋め込まれているのではなく、自重だけで立っている。主柱はクスノキの自然木で、屋根の箱部分には玉石が詰められ、重心を低くすることで安定を保っている。
五重塔と千畳閣
豊国神社(千畳閣)
豊臣秀吉が建立を命じた大経堂。畳857枚分の広大な板敷き空間が圧巻。未完成のまま残り、天井板や壁がない開放的な構造。隣接する五重塔(1407年築)との景観も美しい。8:30〜16:30。
宮島グルメ
もみじ饅頭
宮島の代名詞。カステラ生地にこしあんを入れた紅葉型のお菓子。
| 店名 | 特徴 | 価格 |
|---|---|---|
| にしき堂 | 最も有名なメーカー。定番の味 | 1個100円〜 |
| 藤い屋 | 1925年創業。あっさり上品な味 | 1個100円〜 |
| やまだ屋 | フレーバーが豊富(チョコ、抹茶、チーズなど) | 1個110円〜 |
| 博多屋 | 手焼き体験ができる | 体験 1回200円 |
| 紅葉堂 | 揚げもみじ(天ぷら)が名物 | 1本200円 |
「揚げもみじ」は食べ歩きの定番
紅葉堂の揚げもみじは、もみじ饅頭を天ぷらにしたもの。外はサクサク、中はトロッと。あんこ、クリーム、チーズの3種類。表参道商店街で食べ歩きできる。
牡蠣
宮島のもうひとつの名物。広島は日本一の牡蠣生産地で、宮島周辺でも牡蠣の養殖が盛ん。
牡蠣屋
宮島の表参道商店街にある牡蠣専門店。焼き牡蠣、牡蠣フライ、牡蠣めしなどフルコースで堪能できる。牡蠣屋定食(2,200円)が一番人気。10:00〜18:00(売切れ次第終了)。
その他のグルメ
| メニュー | おすすめ店 | 価格 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| あなご飯 | うえの | 2,200円 | 宮島口の名店。明治時代から続く穴子飯弁当の元祖 |
| 焼き牡蠣(食べ歩き) | 表参道の屋台 | 2個500円〜 | プリプリの焼き牡蠣をその場で |
| にぎり天 | 博多屋 | 350円〜 | 揚げたての練り物 |
| 宮島ビール | 宮島ブルワリー | 700円〜 | クラフトビール。ペールエール推奨 |
「うえの」のあなご飯は弁当がおすすめ
フェリー乗り場近くの「うえの」は大行列。店内で食べると1時間待ちもザラだが、穴子飯弁当(2,160円)はテイクアウトで比較的スムーズ。宮島行きのフェリーの中や、島内のベンチで食べるのが通な楽しみ方。
弥山ハイキング
弥山(みせん)
標高535mの弥山は宮島の最高峰。山頂展望台からは瀬戸内海の島々を360度見渡せる絶景。弘法大師が修行した霊火堂には1200年以上燃え続ける「消えずの火」がある。ロープウェイ+徒歩約30分で山頂。
登山ルート
| ルート | 所要時間(片道) | 難易度 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ロープウェイ+徒歩 | 約1時間 | 初級 | 最もラク。獅子岩展望台まで空中散歩 |
| 紅葉谷コース | 約1時間30分 | 中級 | 紅葉谷公園から。秋は紅葉が見事 |
| 大聖院コース | 約1時間30分 | 中級 | 大聖院裏から。階段が多い |
| 大元コース | 約2時間 | 上級 | 最もハード。静かなルート |
弥山に登るなら時間配分に注意
ロープウェイ利用でも往復2時間以上。厳島神社と広島市内も回る一日コースなら、弥山は省くか、ロープウェイの獅子岩展望台までにとどめるのが現実的。
広島平和記念公園
基本情報
広島平和記念公園
1945年8月6日の原爆投下の惨禍を伝え、恒久平和を祈る公園。原爆ドーム、平和記念資料館、原爆死没者慰霊碑、平和の灯など多数の施設がある。原爆ドームは世界遺産。園内は24時間開放。
主要スポット
| スポット | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|
| 原爆ドーム | 外観のみ(無料) | 爆心地近くで唯一残った建物。世界遺産 |
| 広島平和記念資料館 | 大人200円 | 被爆の実態を伝える展示。2019年リニューアル |
| 原爆死没者慰霊碑 | 無料 | 碑のアーチ越しに原爆ドームが見える設計 |
| 原爆の子の像 | 無料 | 佐々木禎子さんをモデルにした像 |
| 平和の灯 | 無料 | 核兵器がなくなるまで燃え続ける灯 |
平和記念資料館は覚悟して訪れて
2019年リニューアル後の展示は、被爆者の遺品や写真を中心に、原爆の惨禍をより直接的に伝える内容。精神的に辛くなる展示もあるが、目を背けずに見てほしい。所要時間は1〜2時間。
ボランティアガイドの活用
平和記念公園では無料のボランティアガイドが活動している。被爆体験伝承者の話を聞けることもある。公園内の案内所で申し込み可能(事前予約推奨)。
モデルコース(一日)
広島駅出発 → 宮島口
JR山陽本線で宮島口へ(約30分、420円)。またはICOCAで広電に乗車(約1時間、270円)
約30分干潮の大鳥居(潮位次第)
干潮であれば大鳥居のそばまで歩く。間近で見上げる迫力は格別
滞在 約30分フェリーで宮島口へ
宮島口に戻り、JRで広島市内へ移動
約40分帰路
広島駅から新幹線で帰路。のぞみで東京まで約4時間
移動広島市内グルメ
お好み焼き
広島のお好み焼きは重ね焼きスタイル。生地→キャベツ→もやし→豚肉→そば(うどん)→卵を重ねて焼く。
八昌
広島お好み焼きの名店中の名店。そば肉玉(850円)が定番。キャベツの甘さと生地のパリパリ感のバランスが絶妙。薬研堀にある本店は行列必至だが、回転は早い。火〜土 11:00〜22:00、日月定休。
お好み村
ビル3フロアに24店舗が入るお好み焼きのフードテーマパーク。観光客向けだが各店の味は本格的。どの店に入るか迷ったら、鉄板の前に座って目の前で焼いてもらう体験を楽しもう。11:00〜翌2:00。
その他の広島グルメ
| メニュー | おすすめ店 | 価格 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| つけ麺 | ばくだん屋 | 850円〜 | 広島つけ麺。辛さ選択可 |
| 汁なし担々麺 | きさく | 750円〜 | 広島発祥の辛旨麺 |
| 瀬戸内レモンサワー | 各居酒屋 | 500円〜 | 広島レモン使用 |
アクセス・フェリー情報
広島への行き方
| ルート | 所要時間 | 料金 |
|---|---|---|
| 東京→広島(新幹線のぞみ) | 約3時間55分 | 19,440円 |
| 大阪→広島(新幹線のぞみ) | 約1時間25分 | 10,580円 |
| 福岡→広島(新幹線のぞみ) | 約1時間5分 | 9,170円 |
| 広島空港→広島駅(バス) | 約45分 | 1,370円 |
宮島へのフェリー
| フェリー | 料金(片道) | 所要時間 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| JR西日本宮島フェリー | 大人180円 | 約10分 | 大鳥居に近づくルート(9:10〜16:10の便) |
| 松大汽船 | 大人180円 | 約10分 | 直行ルート。頻度が高い |
| 広島港→宮島(高速船) | 大人2,200円 | 約30分 | 広島市内から直行。平和公園近くの桟橋発 |
JRフェリーの「大鳥居便」がおすすめ
JR西日本宮島フェリーは、9:10〜16:10発の便に限り大鳥居に近づくルートを通る。海上から大鳥居と厳島神社を間近に見られる無料のクルーズ体験。必ずJRフェリーに乗ろう。
広島世界遺産航路で2つの世界遺産を直結
平和記念公園の元安桟橋から宮島へ直行する高速船(片道2,200円、約45分)。2つの世界遺産を海路で結ぶルートで、移動そのものが観光になる。
予算の目安
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| 交通費(東京⇔広島・新幹線) | 約38,880円(往復) |
| JR山陽本線(広島→宮島口) | 420円(片道) |
| フェリー(宮島口⇔宮島) | 360円(往復) |
| 厳島神社 | 300円 |
| 千畳閣 | 100円 |
| 平和記念資料館 | 200円 |
| 昼食(宮島) | 2,000〜3,000円 |
| 食べ歩き | 500〜1,000円 |
| 夕食(お好み焼き) | 1,000〜1,500円 |
| 合計(交通費除く) | 約5,000〜7,000円 |
広島たびパスポートを活用
広島エリアの周遊に便利なデジタルチケットが各種ある。JR+フェリー+路面電車がセットになったプランもあるので、公式サイトで最新情報をチェックしよう。
宮島の鹿について
宮島にも奈良と同じく鹿がいる。ただし宮島の鹿は餌やり禁止。
宮島の鹿に食べ物を与えないで
以前は鹿せんべいも販売されていたが、現在は餌やりが全面禁止。人間の食べ物を食べた鹿が体調を崩すケースが増えたため。食べ歩きの際も鹿に食べ物を取られないよう注意。
季節別の楽しみ方
| 季節 | 宮島 | 広島市内 |
|---|---|---|
| 春(3〜4月) | 桜と大鳥居の共演 | 平和記念公園の桜並木 |
| 夏(8月) | 宮島水中花火大会 | 8月6日 平和記念式典 |
| 秋(11月) | 紅葉谷公園の紅葉 | 広島城の紅葉 |
| 冬(12〜2月) | 牡蠣の最盛期 | 観光客少なく穴場 |
よくある質問
Q. 宮島と広島市内、一日で回れる?
A. 十分回れる。宮島に4〜5時間、広島市内に2〜3時間が目安。朝イチで宮島に渡り、午後に広島市内へ戻るのが効率的。
Q. 大鳥居を歩いて見に行けるのはいつ?
A. 干潮時(潮位100cm以下が目安)。1日に2回、干潮と満潮がある。宮島観光協会のサイトで当日の潮位表を確認しよう。満潮と干潮の両方を見るなら4〜5時間の滞在が理想。
Q. 宮島に宿泊すべき?
A. 日帰りでも十分楽しめるが、宿泊すると夜の厳島神社ライトアップ(日没〜23:00)と、朝の静かな参拝を楽しめる。旅館は1泊2食で15,000〜30,000円。
Q. お好み焼きは広島駅周辺で食べられる?
A. 広島駅ビルekie内にもお好み焼き店がある。新幹線の時間が迫っている場合は駅ビルが便利。ただし名店(八昌など)は市内中心部に多い。
Q. 雨の日の宮島はどう?
A. 厳島神社は回廊があるので雨でも参拝可能。表参道商店街もアーケード的な屋根がある部分が多い。ただし弥山ハイキングは滑りやすくなるので注意。
まとめ
広島・宮島の旅は、海上の厳島神社の美しさに心を奪われ、もみじ饅頭と牡蠣に舌鼓を打ち、平和記念公園で人類の歴史に向き合う──一日で「美・食・学」のすべてが詰まった旅になる。
2つの世界遺産が伝えるのは、日本が誇る美と、二度と繰り返してはならない歴史。この2つを一日で体験することに、大きな意味がある。ぜひ一度、自分の目で見て、感じてほしい。