箱根の温泉とアートを一泊二日で満喫 ── 彫刻の森・ポーラ美術館・名湯
この記事でわかること
箱根はなぜ「温泉×アート」なのか
箱根は東京から約80分というアクセスの良さに加え、**温泉地としての歴史(奈良時代から約1,300年)**と、**美術館の集積度(エリア内に20以上)**という2つの魅力を持つ。
登山電車、ケーブルカー、ロープウェイ、遊覧船と乗り物自体が観光になるのも箱根ならでは。自然、アート、温泉、グルメを一泊二日でフルに楽しめる。
箱根の美術館
彫刻の森美術館
箱根 彫刻の森美術館
1969年開館の日本初の野外美術館。7万㎡の敷地に約120点の彫刻作品が展示。ヘンリー・ムーア、イサム・ノグチ、岡本太郎などの作品を自然の中で鑑賞。ピカソ館にはピカソの陶芸作品約300点を収蔵。9:00〜17:00、無休。
見どころ作品
| 作品名 | 作家 | 特徴 |
|---|---|---|
| 幸せをよぶシンフォニー彫刻 | ガブリエル・ロアール | ステンドグラスの塔。内部に入れるフォトスポット |
| ネットの森 | 手塚貴晴+由比 | カラフルなネットの遊具。子どもが中に入って遊べる |
| 球体をもった球体 | アルナルド・ポモドーロ | ブロンズの球体。バチカン美術館にも同シリーズ |
| 嘆きの天使 | フランソワ=グザヴィエ・ラランヌ | 泣いている天使の像 |
| ピカソ館 | パブロ・ピカソ | 陶芸、版画、彫刻約300点 |
足湯に浸かりながらアート鑑賞
園内に無料の足湯がある。散策で疲れた足を温めながら、周囲の彫刻作品を眺められる。タオルは持参がベスト(売店でも100円で購入可)。
ポーラ美術館
ポーラ美術館
モネ、ルノワール、セザンヌなど印象派の巨匠の作品を中心に約10,000点を収蔵。森の中に建つガラス張りの美しい建築(日建設計)も見もの。屋外に全長670mの「森の遊歩道」があり、ブナの原生林を散策できる。9:00〜17:00、無休。
コレクションのハイライト
| 作家 | 代表作品 | 特徴 |
|---|---|---|
| クロード・モネ | 睡蓮の池、散歩 | 印象派の至宝。常設展示 |
| ピエール=オーギュスト・ルノワール | レースの帽子の少女 | 柔らかな光の表現 |
| パブロ・ピカソ | 海辺の母子像 | 青の時代の名作 |
| 藤田嗣治 | 横たわる女と猫 | 乳白色の肌 |
| 東山魁夷 | 秋の山 | 日本画の巨匠 |
森の遊歩道は必ず歩こう
美術館の外に全長670mの遊歩道がある。ブナやヒメシャラの原生林の中を歩く20分ほどの散策路で、途中にはインスタレーション作品も。美術館チケットがあれば無料で利用可。
その他の美術館
| 美術館 | 入館料 | 特徴 |
|---|---|---|
| 箱根ガラスの森美術館 | 1,800円 | ヴェネチアングラスの展示。クリスタルガラスのツリーが有名 |
| 箱根美術館 | 900円 | 苔庭と紅葉が美しい日本庭園。秋がベスト |
| 成川美術館 | 1,300円 | 芦ノ湖を望む絶景の美術館。日本画コレクション |
| 岡田美術館 | 2,800円 | 東洋美術の殿堂。足湯カフェ併設 |
| 箱根ラリック美術館 | 1,500円 | アール・デコのガラス工芸。オリエント急行の車両展示 |
箱根フリーパスで割引あり
箱根フリーパスを提示すると、多くの美術館で割引を受けられる。彫刻の森美術館は200円引き、ポーラ美術館も割引あり。パスの特典を確認してから訪問しよう。
箱根の温泉エリア
エリア別特徴
箱根には箱根十七湯と呼ばれる17の温泉地がある。主要エリアを紹介。
| エリア | 泉質 | 特徴 | 宿泊相場(1泊2食) |
|---|---|---|---|
| 箱根湯本 | 単純温泉、アルカリ性 | 箱根の玄関口。日帰り温泉が充実 | 15,000〜40,000円 |
| 塔ノ沢 | 単純温泉 | 静かな渓谷沿い。老舗旅館が多い | 20,000〜50,000円 |
| 宮ノ下 | ナトリウム-塩化物泉 | レトロな雰囲気。富士屋ホテル | 25,000〜80,000円 |
| 強羅 | 各種(5種類の泉質) | 美術館に近い。モダンな宿が多い | 20,000〜60,000円 |
| 仙石原 | 硫黄泉、単純温泉 | すすき草原、ポーラ美術館に近い | 15,000〜40,000円 |
| 芦ノ湖 | 単純温泉 | 湖畔のリゾート。景色が良い | 20,000〜50,000円 |
強羅は5種類の泉質を持つ珍しいエリア
強羅温泉は「五色パステル」と呼ばれ、エリア内で5種類の異なる泉質が楽しめる。透明、白濁、茶褐色など色も様々。宿によって泉質が異なるので、好みの泉質で宿を選ぶのも面白い。
おすすめ日帰り温泉
箱根湯寮
箱根湯本駅から無料送迎バスで3分。里山の雰囲気の中、露天風呂・内湯・サウナを堪能。貸切個室露天風呂(1時間4,200円〜)もある。食事処併設。10:00〜21:00。
天山湯治郷
箱根湯本にある本格的な湯治場。源泉かけ流しの露天風呂が複数。「ひがな湯治 天山」は大人専用でゆったり過ごせる。読書スペースやカフェもあり、一日過ごせる。9:00〜22:00。
日帰り温泉は混雑時間を避けよう
箱根湯本エリアの日帰り温泉は、土日の13:00〜16:00が最も混む。午前中か16:00以降がおすすめ。人気施設は入場制限がかかることも。
箱根の乗り物
箱根観光の魅力は乗り物自体が観光体験になること。
| 乗り物 | 区間 | 料金(片道) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 箱根登山電車 | 箱根湯本→強羅 | 420円 | スイッチバック3回。6月の紫陽花が有名 |
| 箱根登山ケーブルカー | 強羅→早雲山 | 430円 | 急勾配を一気に登る |
| 箱根ロープウェイ | 早雲山→桃源台 | 1,500円 | 大涌谷上空を通過。富士山ビュー |
| 箱根海賊船 | 桃源台→箱根町/元箱根 | 1,200円 | 芦ノ湖を遊覧。海賊船デザイン |
| 箱根登山バス | 各エリア間 | 路線による | 美術館へのアクセスに便利 |
箱根フリーパスが圧倒的にお得
新宿からの小田急線往復+箱根エリア乗り物乗り放題で6,100円(新宿発・2日間有効)。個別に買うと倍以上かかる。箱根旅行の必須アイテム。小田急各駅で購入可能。
モデルコース(一泊二日)
1日目
新宿出発
小田急ロマンスカーで箱根湯本へ(約85分、特急券1,110円+乗車券)。箱根フリーパスを購入
約1時間30分箱根湯本散策
駅前の商店街で寄木細工や温泉まんじゅうを見て回る
滞在 約30分箱根登山電車で強羅へ
スイッチバックを体験しながら強羅へ。車窓の渓谷美を楽しむ
約40分強羅公園
箱根フリーパスで入園無料。フランス式庭園。体験工房(吹きガラスなど)もある
滞在 約45分宿にチェックイン
強羅or仙石原の温泉宿へ。温泉に浸かってリラックス
のんびり夕食
宿の懐石料理を堪能
約1時間30分2日目
朝風呂&朝食
朝の静かな温泉に浸かり、宿の朝食を楽しむ
約1時間30分芦ノ湖・海賊船
桃源台から海賊船で元箱根へ。湖上から富士山を望む
約30分箱根神社
芦ノ湖に建つ平和の鳥居が有名。パワースポット
滞在 約30分ランチ
元箱根・箱根町エリアでランチ
約45分箱根湯本でお土産&日帰り温泉
商店街でお土産を買い、日帰り温泉で旅の〆
約1時間30分帰路
箱根湯本からロマンスカーで新宿へ
約1時間30分箱根グルメ
田むら銀かつ亭
強羅の名物店。箱根の湧き水で作った豆腐にひき肉を詰めて揚げ、出汁で煮た「豆腐かつ煮」が看板メニュー。ふわとろの食感が病みつき。行列必至だが回転は早い。11:00〜14:30/17:00〜19:00、火曜定休。
大涌谷の黒たまご
大涌谷 黒たまご
大涌谷の温泉で茹でた黒いゆで卵。硫黄の成分で殻が真っ黒に。1個食べると7年寿命が延びるという伝説。大涌谷名物として定番。くろたまご館で販売。ばら売り不可、5個セットのみ。
その他のグルメ
| メニュー | おすすめ店 | 価格 | 場所 |
|---|---|---|---|
| 自然薯そば | はつ花 新館 | 1,200円 | 箱根湯本 |
| 湯もちもち | ちもと | 1個250円 | 箱根湯本。柔らかい求肥のお菓子 |
| ベーカリー | 渡邊ベーカリー | 300円〜 | 宮ノ下。温泉シチューパンが名物 |
| カレーうどん | 富士屋ホテル | 2,500円 | 宮ノ下。歴史あるホテルのランチ |
| スイーツ | サロン・ド・テ ロザージュ | 2,000円〜 | 芦ノ湖畔。りんごパイが名物 |
渡邊ベーカリーの温泉シチューパンは朝の穴場
宮ノ下の渡邊ベーカリーは、丸パンの中にビーフシチューが入った「温泉シチューパン」(590円)が名物。昼は行列だが、朝8:30〜9:30頃はスムーズに買える。
箱根湯本の「ちもと」は必買土産
ちもとの「湯もち」は箱根土産の大定番。柚子が香る柔らかい求肥(ぎゅうひ)の中に餡が入っている。日持ちは3日間。箱根湯本駅前の本店で購入可能。
アクセス情報
箱根への行き方
| ルート | 所要時間 | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 新宿→箱根湯本(ロマンスカー) | 約85分 | 2,470円 | 最もポピュラー。車窓が楽しい |
| 新宿→箱根湯本(小田急急行) | 約2時間 | 1,270円 | 小田原乗り換え。安い |
| 東京→小田原(新幹線)→箱根湯本 | 約55分 | 3,970円 | 最速 |
| 東京→箱根湯本(高速バス) | 約2時間 | 2,100円 | 渋滞リスクあり |
ロマンスカーは事前予約を
特に週末のロマンスカーは満席になりやすい。小田急のウェブサイトで事前予約がおすすめ。展望席(先頭・最後部)は特に人気で、発売開始日に売り切れることも。
予算の目安
| 項目 | 日帰り | 一泊二日 |
|---|---|---|
| 箱根フリーパス(新宿発) | 6,100円 | 6,100円(2日間有効) |
| ロマンスカー特急券 | 2,220円(往復) | 2,220円 |
| 彫刻の森美術館 | 1,600円 | 1,600円 |
| ポーラ美術館 | — | 1,800円 |
| 宿泊(1泊2食) | — | 20,000〜40,000円 |
| 昼食 | 1,500円 | 3,000円 |
| カフェ・お菓子 | 500円 | 1,000円 |
| お土産 | 1,000円 | 2,000円 |
| 合計 | 約13,000円 | 約38,000〜58,000円 |
季節別の楽しみ方
| 季節 | おすすめ | 見どころ |
|---|---|---|
| 春(4〜5月) | 新緑、つつじ | 山のホテルのつつじ(5月) |
| 夏(7〜8月) | 避暑、ユリ | 芦ノ湖畔は涼しい |
| 秋(11月) | 紅葉 | 箱根美術館の苔庭×紅葉。強羅・仙石原のすすき |
| 冬(1〜2月) | 温泉、雪景色 | 露天風呂から雪景色。節分行事 |
仙石原のすすきは11月が見頃
仙石原のすすき草原は箱根の秋の代名詞。9月下旬〜11月上旬が見頃で、特に10月中旬〜11月上旬の黄金色に輝く時期がベスト。週末は周辺道路が渋滞するので早朝がおすすめ。
よくある質問
Q. 箱根は日帰りと一泊、どちらがいい?
A. 美術館2〜3館+温泉をゆっくり楽しむなら一泊がおすすめ。日帰りなら彫刻の森美術館+大涌谷+芦ノ湖のコンパクトコースが現実的。
Q. 箱根フリーパスは買うべき?
A. 乗り物を2つ以上使うなら確実にお得。登山電車、ケーブルカー、ロープウェイ、海賊船、バスがすべて乗り放題。美術館の割引も付く。箱根旅行なら必携。
Q. 雨の日の過ごし方は?
A. 美術館が多い箱根は雨の日に強い。ポーラ美術館、箱根ガラスの森美術館、岡田美術館はいずれも雨でも楽しめる。温泉は雨の日こそ風情がある。
Q. 大涌谷は行くべき?
A. 火山活動の状況で立入規制がかかることがある。訪問前に箱根町の公式サイトで最新の規制情報を確認しよう。規制がなければ、噴煙を上げる火山地帯は一見の価値あり。黒たまごは名物。
Q. 子連れでも楽しめる?
A. 彫刻の森美術館の「ネットの森」は子ども向けの遊べるアート。海賊船は子どもに大人気。箱根園の水族館もある。温泉付き宿は家族連れの利用が多い。
Q. 車と電車、どちらがいい?
A. 箱根は電車+バスが便利。フリーパスで乗り物自体が観光になる。車は週末の渋滞が激しく、駐車場探しにも時間がかかる。平日の車は快適。
まとめ
箱根の一泊二日は、彫刻の森で自然とアートに触れ、ポーラ美術館で印象派の名画に酔い、温泉宿でとろけるように癒される──五感すべてが満たされる旅になる。
乗り物を乗り継ぎながら箱根を一周するだけでも楽しい。東京から85分で別世界に入れるアクセスの良さも含め、「週末リフレッシュの最適解」と言える目的地だ。